レギュレートレクチファイア交換
・DR-Z400Sのレギュレートレクチファイア交換
DR-Z400Sのレギュレートレクチファイア(レギュレータ)が故障したため交換します。
レギュレートレクチファイア(レギュレータ)とは何ぞや?という方もいらっしゃると思います。
バイクが走るためには電気が必要です。点火プラグやヘッドライトも電気で動いていますね。
インジェクション車の場合は燃料ポンプなどコアシステムそのものに電気が必要です。
バイクはエンジンの回転を利用して発電を行っています。これはエンジン内部にあるジェネレーターが行っています。
しかし、ジェネレーターはエンジン回転数が上がるとたくさん発電してしまうので、走行状況によって電圧・電流に幅がでてしまいます。
バイクの電装品は電圧12Vを想定して設計されており、その付近に安定させる必要があります。
レギュレートレクチファイアは、余分な発電電力を捨てて(熱に変換して)電圧を安定させる機能と、整流機能をもっています。
簡単にまとめると、安定した電気を電装品へ提供するために必要な部品です。
これが壊れると、必要な電圧が出ずバッテリーが上がったり、逆に高電圧となり電装品を壊したりします。
さて、私の症状としては、久しぶりにエンジンをかけようとしたら、
セルスイッチ4回程度でバッテリーが上がってしまいました。
寒い時期でしたが、いくらなんでも弱りすぎだろうと思い、
エンジン始動後の充電電圧をチェックすると、12.0Vほどしかありません。通常は13.5~15.0V程度あります。
発電系統の故障で、バッテリーが満足に充電されていなかったようです。
このような場合、ジェネレーターかレギュレートレクチファイアのどちらかが怪しいです。
ジェネレーターは交換したばかりだったのでまず除外し、予備のレギュレータと付け替えたところ、
13.8V程度出るようになりました。
交換作業はとても簡単です。
エアフィルターカバーを外し、10mmのボルト2本とカプラ2個で交換できます。
作業時間として10分程度です。
今回のこの記事の目的は、巷でうわさの、
「レギュレータの故障はサービスマニュアルの点検方法では発見できない」説を検証するためです。
サービスマニュアルには、ダイオードテスタを用いた点検方法が書いてあります。
しかし、「新品でも標準値内にならない」とか「標準値内で正常なはずなのに電圧が出ない」とか、
そんなうわさが絶えません。
今回、交換により充電電圧が正常に戻ったことは明確なので、交換前後のレギュレータを比べてみます。
マルチテスターでダイオードテストモードを選択し、各端子に当てていきます。
テスターは、2VまでのレンジでダイオードテストができるDER-EE DE-200Aを使用しています。秋月電子で購入しました。
標準値で最大1.5Vの指定があるDR-Z用レギュレータの検査には、やはり最低2Vレンジが必要です。
ホームセンターで売ってる安いものは1Vレンジが多いので注意してください。
サービスマニュアルの記載および標準値です。
交換した正常なレギュレートレクチファイアの測定値です。0Lは測定範囲外を示します。
故障したレギュレートレクチファイアの測定値です。0Lは測定範囲外を示します。
はい、2つのことが分かりました。
・正常なレギュレータでも標準値内にならない。
・故障したレギュレータでも、正常なレギュレータとほぼ同じ値を示すことがある。
いやいや、だったら検査として意味ないだろと(笑)
インターネット上には他にもDR-Zのレギュレータをチェックされた方がいらっしゃり、
やはり"0L"の箇所は同様に測定不能だったようです。
みなさんも予備を1個持っておくと良いかもしれません(笑)