ブレーキパッド考
・オフロードバイクのブレーキパッド考
今回はオフロードバイクのブレーキパッドについて考えてみます。
実は国内メーカーのオフロードバイクの多くは、フロントブレーキパッドの互換性があります。
これは、NISSIN(日信工業)製のあるブレーキキャリパーを、各社がこぞって採用しているためです。
細かい部分はチューニングを変えていると思いますが、20年以上前の機種から最新機種まで、
またモトクロッサーからトレールまで適用できるということは、よほど設計が良いキャリパーなのだと思います。
もはや国産オフロード車では定番です。
これがそのキャリパーです。
キャリパーが一緒ということは、パッドの形状も一緒です。NTBの品番だとHD161というタイプです。
以下に示すような、名だたるモトクロッサー/EDレーサー/トレール車がこのタイプです。
メーカーを跨いでいるのにこれだけ共通だと、やはりよほど性能(耐久性や信頼性、コスト等も含めて)が良いキャリパーなのでしょうね。
[ホンダ]
CRF250R/X 04-15
CRF450R/X 02-15
XR650R 00-07
XR250 95-07
[ヤマハ]
YZ250F 03-06
YZ450F 03-07
WR250F/450F 03-14
WR250R 07-14
[スズキ]
RMZ250 04-15
RMZ450 05-15
DJEBEL250XC 95-00
DRZ400S/R 00-08
[カワサキ]
KX250F 04-15
KX450F/KLX450R 06-15
KLX250R/SR/ES 93-97
KDX220R/SR 94-99
ということは・・・。純正部品のブレーキパッドを流用できます。
トレール車にモトクロッサーやEDレーサーのブレーキパッドを入れることもできますね。
社外品だと特性を汎用化して1つの品番(商品)で多数のバイクに対応するようになっていますが、
メーカー純正部品だとパッドが同じ形でも、機種によって品番を変えていることが多いのです。(ホンダ以外)
コストがかかるのにわざわざ変えているのですから、摩擦材をその車種に合わせた設計とするなど、こだわりや何らかの理由があると推測します。
以下の各社純正ブレーキパッドはすべて同じ形状ですが、型番や値段が違います。
買えば分かりますが、これらのブレーキパッドは全てNISSINが作っていて、メーカーは間に入っているだけです。品質に差はありません。
つまりは各メーカーとNISSINがどのような部品供給契約を結んでいるか、メーカーがどれだけマージンを取っているかが推測できます。
ホンダのみ多くの機種で共通化がされているようです、コストに厳しいのでしょう。それにしては供給価格が安くありませんが(笑)
ヤマハは高めです。スズキは良心的ですね。カワサキは普通です。
すべてNISSIN製の一流シンタードパッドですよ。
[ホンダ]
XR650R 2007 45105-MY6-415 \5,302
CRF450R 2016 45105-MY6-415 \5,302
CRF450X 2016 45105-MY6-415 \5,302
[ヤマハ]
WR450F 2013 5MV-W0045-01 \5,940
YZ450F 2007 5MV-W0045-01 \5,940
YZ426F 2002 5MV-W0045-00 \5,940
[スズキ]
DRZ400S 2000 59300-13860 \4,212
DRZ400E 2007 59300-36880 \4,104
RMZ450 2015 59301-36810 \4,104
[カワサキ]
KX450F 2016 43082-0132 \5,206
KLX450R 2009 43082-1266 \5,206
今回は特に何かをするという記事ではありませんでしたが、
ブレーキパッド一つとってみても、このように視野を広げて見れば、業界の事情が見え、考え方も変わってくると思います。
オフロード走行時のブレーキ性能を求めたいならば、モトクロッサーやEDレーサーのパッドを流用してみるのもいいかもしれません。
ただし、ブレーキシステムの性能はパッドだけで決まるものではありませんので、あしからず。マスターやローターも重要ですよ。