LEDヘッドライトの考察
・バイクに用いられるLEDヘッドライトについて考察してみる
四輪車/二輪車においてLEDヘッドライトが増えてきました。
二輪ではホンダのPCX、CB1300SBなどが純正採用されていますね。省電力で明るく、ハロゲンランプやHIDを置き換える日も近いでしょう。
LEDは、ハロゲンバルブやHIDと違い、強い指向性を持った発光をします。
例えばランタンのような周り全体を明るくしたいという用途には向きませんが、懐中電灯のように特定の範囲だけ照らしたいという場合にはとても有効です。
ヘッドライトの場合は、後者ですよね。ハロゲンバルブやHIDは指向性が弱いので、リフレクターを使って指向性を生み出しているのです。
よって、ヘッドライトユニットそのものをLED専用に設計する事が最善であり、わざわざ反射させる必要など無いので、既存のヘッドライトユニットを流用しようと考えるのはナンセンスなのです。
ところが、市場ではハロゲンバルブを置き換え可能というLEDバルブ(電球ではないのですが)が発売されています。
出始めの頃は怪しい海外メーカー製しかありませんでしたが、今ではフィリップス、IPF、小糸までもが開発し発売しています。
DR-Zにとっては省電力で明るいヘッドライトは魅力ですので、この流れに乗って少し考えてみようと思います。
さて、まずLEDバルブの特徴ですが、一般的なフィラメントの位置にLED素子を配置することで、これまでのバルブを再現しています。
先述のとおり指向性がありますから、素子の位置や個数、シェードの造り方などが各メーカーにより異なります。
そしてLED素子は発熱します。この熱をどう逃がすかも、メーカーの腕の見せ所です。ただこの熱対策により、バルブの後ろにヒートシンクやファンが付くので、スペースを要求されます。
では一流メーカーではどんな製品を出しているのか見ていきます。規格はH4とします。
四輪用ですが、まずフィリップスのエクストリームアルティノンLEDです。
価格は約2万円ですが、四輪用なので2本セットです。
大き目のヒートシンクでファンレス構造です。コントローラーユニットは別体となります。
小さい素子を複数並べて配置し、いかにフィラメントに近づけるかを突き詰めた感じですね。ただ、製造コストはかかるでしょう。
見る限り、造りはとても良さそうです。砂埃の多いオフローダーにはファンレスもうれしいところです。
このヒートシンクは取り外し可能で、取り付け時の自由度も高いです。
デザインもカッコいいですよね。さらに3年保証です。評価も高く、今のところ交換用LEDバルブの定番ではないでしょうか。
次にIPFのヘッドライト LED H4です。
こちらも四輪用で2本セットで、約2万円です。
ファンで冷却する構造です。コントローラーユニットを内蔵していて、オールインワン構成です。
日本メーカーだけあって、こちらも造りは良さそうです。フィラメントの位置を完全再現することにこだわっているようです。
オールインワン構成はとても良いのですが、ファン冷却はちょっとなーと思ってしまいます。オフローダーとしては、砂とか泥を噛んで故障する事を恐れてしまいます。
とても評価の良い製品なので、オンローダーの方は問題無いのではないでしょうか。
こちらも3年保証です。フィリップスと2強と言えますね。
次に小糸製作所(KOITO) LEDバルブ ホワイトビーム H4です。
前衛的な形です。個人的に小糸は堅いイメージがあったのですが、この曲線的なシェードは意外でした。
こちらも四輪用で2本セットで、約2万円です。この辺りが相場なのでしょう。
ファンレスで、コントローラーユニットは別体です。大き目の素子をHiとLowで1つずつ配置しているところが上記の2メーカーと違います。
ただ、この製品は評判があまり良くありません。具体的には"暗い"という評価が多いです。
一方でメーカーとしては熱対策を重視したという話もあり、信頼性は高いのかもしれませんね。
こちらは2年保証です。うーん…。
二輪用としてはサインハウスのLED RIBBON、スフィアライトのLEDコンバージョンキットなどが出ています。
ただ、1本で2万円弱と高すぎるので、選考から外しています。
その他、怪しいメーカーの製品は星の数ほどあるので、ヤフオクで見てみてください。
で、私はどうするかというと、明るさの為に2万円?…という考えなので、いまいち踏み切れません。
コントローラーユニット(HIDのバラスト的な)が別体の場合は、その配置を考えるのも面倒です。
いつもなら、この展開はebayに走るパターンですが…。
WebikeでIMPACTというブランドで評価の良いLEDバルブを見つけました。
これは\6,980です。
こだわった造りに見えないのですが、不思議と照射に対するレビューも良く、かなり売れているみたいです。何といってもコントローラーユニット内蔵でファンレスというのがイイですね。
いや、でも、この造りで7千円ですか…。これebayで見たことある気が…。
調べると、"IMPACT"とはWebikeが海外商品に独自に付与したブランド名のようですね。
Webikeさんの商売を邪魔する気は無いのですが、結果的に私は全く同じ商品(新品)を、別ルートから数分の1の価格で入手しました。
いやね、この品質に厳しい日本で、実績の無い海外製品を会社として扱うには、リスク分を乗せて利益を乗せて、大変なんですよホントに。痛いほど分かります。
私は個人買として、その差額でリスクを覚悟しただけの話です。
考察はここまでにして、まずは安価に検証するところからスタートしたいと思います。
取り付けとレビューは以下の記事にまとめています。