ブレーキディスクローター考
・DR-Z400Sのフロントブレーキディスクローター交換について考える
まもなく走行距離4万5千kmの我がDR-Z400S。
フロントのブレーキローターがそろそろやばそうなので、チェックをしてみました。
結果は2.46mm。
DR-Zのフロントブレーキディスクローターは、新品時3.5mm、使用限度が3.0mmです。
使いすぎです、交換ですね。
純正部品を使うのも良いですが、少しアレンジしてみます。
社外品はz-wheelのジグラムローターがメジャーですね。
ただ、フローティング構造じゃないのと、社外互換品なのにそれほど安くないです。
実は、以前からヤマハYZ450F/250F、WR450F/250Fの純正ローターが流用できそうだと考えていて、それを実行しようと思います。
せっかくなのでウェーブローターにします。
その場合流用できるのは、07'-15'のYZ250F、08'-15'のYZ450F、07'-16'のWR250F、07'-15'のWR450Fのものです。
ローター径250mmになります。
早速調べてみると、なんと、YZとWRで部品番号が違いました。
モトクロッサーとエンデューロレーサーですが、基本設計は共にするものであり、まさか同じ径、同じハブでローターが違うとは。
年式毎に、下記のようになっています。
年式 | 2007 | 2008 | 2009 | 2010 | 2011 |
YZ250F | 5XC-2581T-G0 | 5XC-2581T-G0 | 5XC-2581T-G0 | 5XC-2581T-G0 | 5XC-2581T-G0 |
YZ450F | 2S2-2581T-70 | 5XC-2581T-G0 | 5XC-2581T-G0 | 5XC-2581T-G0 | 5XC-2581T-G0 |
WR250F | 2S2-2581T-70 | 2S2-2581T-70 | 2S2-2581T-70 | 2S2-2581T-70 | 2S2-2581T-70 |
WR450F | 2S2-2581T-70 | 2S2-2581T-70 | 2S2-2581T-70 | 2S2-2581T-70 | 2S2-2581T-70 |
ん~(*_*)
こういう部品は共通化したほうがコストメリットがあるので、相応の理由があるはずです。
まず07年は、YZもWRもウェーブローターに変わった年です。
この時は、YZの450と250でそれぞれ専用部品でした。
ところが翌08年、450に07年250のローターが流用されています。
これだけなら、250のローターに1本化したと判断できるのですが、WRには07でやめたはずの450ローターが15年まで採用し続けられます。
ちなみに部品としては、当たり面の穴形状が少し違います。
厚みなどは一緒で、むしろYZ用のほうが穴の空け方が控えめですね。
そして価格も一緒。
2S2-2581T-70 \9,612
5XC-2581T-G0 \9,612
ん~悩ませますね。理由を調べます。
この部品が生まれたとき、何があったのかを見ていきます。
このローターが初めて採用された07年YZ250F。ここに鍵がありそうです。
ヤマハのプレスリリースを見ます。
--YZ250F 2007モデルの主な変更点-----------------------------------------------
3)新設計フロントブレーキシステム
優れた制動力を確保するため、新作フロントブレーキキャリパーを採用した。
ピストンサイズを縮小し、合わせてパット形状、材質の最適化を行い軽量化を図った。
さらに、マスターシリンダー側のピストン径も縮小し、その他プッシュロッド構造の採用、レバー形状の最適化によりレバータッチの向上を行った。
軽量小型でかつ効力・コントロール性に優れたブレーキシステムとなっている。
更にフロントのブレーキホースは、全長を短縮した新型を採用し軽量化。
また足廻りの軽量化を図るため、新設計ウェイブ形状のディスクローターを前後に採用した。
スロッティッドの孔形状も丸型から異形として制動力と軽量化を両立させた。
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これですね!
キャリパーも含めたブレーキシステムの一新があります。
新作キャリパーの特性に合わせたローターを新たに作った?と仮説を立て、08年YZ450Fのプレスリリースを見ます。
--YZ450F 2008モデルの主な変更点-----------------------------------------------
3)軽量化を図ったフロントブレーキ系
フロントブレーキキャリパーは、新たに軽量タイプ(2007型YZ250Fと同仕様)を採用した。
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当たりですね!250と同じキャリパーに変わってます。
ってことはおのずと、WRは15年まで旧キャリパーのはず、、、
当たり!
一応、謎が解けました。
新作キャリパーの特性に合わせて、ローターも新しく作ったということでしょう。さすがヤマハです。
では、どちらをDR-Zに流用するか。
DR-Zのパッド形状は07' YZ450F 、~15' WRと同一なので、こちらのほうが近いキャリパーであり、特性が似ていると考えます。
新作キャリパーはパッド形状が違うんです。(ライニング部は同じっぽいですが)
あとはエンデューロレーサーのWR250F/450Fのほうが、林道ユースなどまだ私の使い方に近いので、そういった設計上の考慮もされているはずです。
モトクロスとはブレーキの使い方が全く違うので、モトクロッサーだけにしか採用されていないローターを使うのは、ちょっと気が引けました。
ということで、WR250F/450Fローターに決定です!
交換作業はこちらの記事にて。